看護師転職で好印象を与える自己紹介のコツ|面接官の心に残る伝え方とは?
転職活動で避けて通れないのが「面接」。中でも最初に求められる「自己紹介」は、第一印象を左右する重要なステップです。
特に看護師の転職面接では、経験・人柄・やる気を短い時間で伝えるスキルが求められます。本記事では、「看護師転職 自己紹介」で検索される方に向けて、基本の構成やNG例、施設別ポイントまで、自己紹介の実践的なノウハウをご紹介します。
1.自己紹介で差がつく!看護師転職の基本ポイント

①自己紹介と職務経歴書の違いとは?
面接時の「自己紹介」と「職務経歴書」は混同しやすいですが、役割が異なります。職務経歴書は書類で伝える客観的な経歴。一方、自己紹介は短時間で自分の人柄や熱意を伝える場面です。つまり、「あなたがどんな人か」を相手に印象づけるための第一声なのです。
②面接で自己紹介が求められる理由
採用担当者は、自己紹介を通じて「話し方」「人柄」「やる気」など、履歴書からは見えない部分を見ています。第一印象が合否を左右することもあるため、簡潔かつ丁寧に話すことが大切です。たとえ経歴が素晴らしくても、話し方や印象で評価が大きく変わることもあります。自己紹介は、約1分程度で簡潔・丁寧にまとめましょう。
③自己紹介で押さえるべき3つの要素
- 基本情報(氏名、資格、看護師歴 など)
- これまでの経験・強み(診療科・得意なケア・連携力など)
- 転職理由・今後の目標(前向きな理由で志望動機を)
上記の構成をベースに、以下の3点を盛り込んで話すことが基本です。理想的には、1分以内で簡潔にまとめましょう。
2.好印象を与える自己紹介の構成と話し方

面接で自己紹介を求められたとき、「何から話せばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
このパートでは、限られた時間の中でも相手に好印象を与えられる、話し方のコツと構成の基本を解説します。
①冒頭で伝える「基本情報」
名前、看護師歴、これまで働いてきた施設名などを簡潔に述べましょう。例:「〇〇と申します。正看護師として約8年間、病院勤務をしておりました。」
②中盤で伝える「これまでの経験・強み」
特に得意なケア、経験の多い診療科、チーム連携への貢献など、自分の強みを端的に伝えると印象に残りやすくなります。
③最後に伝える「今後の目標・転職理由」
転職理由は前向きな言葉を選び、「貴院でより在宅医療に関わりたいと考え志望しました」といった熱意を伝えましょう。
3.自己紹介で意識すべきアピールポイント

看護師として働く施設によって、求められる役割や期待される人柄は異なります。
ここでは、主な勤務先別に、自己紹介で伝えるべきポイントをわかりやすく整理しました。
| 施設名 | 自己紹介で意識すべきポイント | アピール例 |
|---|---|---|
| 病院(急性期・回復期・療養型) | 診療科・急変対応経験・チーム連携・看護観 | 急変対応や終末期ケアに携わり、信頼関係を大切にしています。 |
| 訪問看護ステーション | 一人訪問での判断力・家族対応・終末期ケア・在宅への想い | 生活に密着した看護にやりがいを感じ、訪問看護に挑戦したいです。 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 認知症ケア・看取りの経験・利用者理解・安心感のある対応 | 認知症や看取りケアを通じ、じっくり寄り添う看護を実践しています。 |
| 介護老人保健施設(老健) | 医療処置と在宅復帰支援・多職種連携・ADL向上への貢献 | 医療と生活の両面から、在宅復帰支援に取り組んできました。 |
| デイサービス・デイケア | 体調変化の察知・信頼関係の構築・レク対応・緊急時の判断 | 日々の変化に気づき、笑顔で安心感を届ける対応を心がけています。 |
【1】病院勤務(急性期・回復期・療養型)
病院では、専門的な看護スキルとチーム連携力が重視されます。
自己紹介では以下のような点を伝えると効果的です。
- 担当してきた診療科(例:外科・内科・ICU など)
- 急変時の対応経験や処置スキル(例:吸引・点滴・カテーテル管理など)
- 多職種連携やリーダー業務の経験
- 看護観や患者との関わりで大切にしていること
例文アピール:「内科病棟にて、急変対応や終末期ケアに携わってきました。ご家族との信頼関係を築くことを大切にしています。」
【2】訪問看護ステーション
訪問看護では、一人で判断・対応する力と、在宅でのコミュニケーション力が求められます。
- 一人訪問の経験、判断力や観察力
- ご家族やケアマネジャーとの連携経験
- 終末期ケア、在宅での褥瘡・胃ろう・ストマ管理など
- 生活に寄り添う姿勢・在宅への興味や志望動機
例文アピール:「利用者様の生活に密着した看護にやりがいを感じ、訪問看護にチャレンジしたいと思いました。」
【3】特別養護老人ホーム(特養)
特養では、長期的な関わりの中での利用者理解や看取りケアへの姿勢が重視されます。
- 認知症ケア・バイタル管理・服薬確認などの基本的ケア
- 看取り期における関わり方、家族対応
- 利用者一人ひとりに合わせた関わりや観察眼
- 慌てず落ち着いた対応、安心感を与える関わり
例文アピール:「特養での勤務経験を通じて、認知症の方との関わりや看取り期の支援にやりがいを感じています。」
【4】介護老人保健施設(老健)
老健では、リハビリや在宅復帰支援における医療的判断と介護との連携力が求められます。
- 医師やリハビリスタッフとの情報共有
- 急変時の対応、施設内での医療処置
- ADL向上に向けた介護・リハとの協働
- 家族支援や在宅復帰支援への貢献
例文アピール:「老健では、医療と生活のバランスを意識しながら、在宅復帰に向けた支援を行ってきました。」
【5】デイサービス・デイケア
デイでは、日中のみの関わりで利用者との信頼関係を築く力や、体調変化への迅速な対応力が求められます。
- 利用者の表情・動作から体調変化を察知する力
- レクリエーションや会話を通じた信頼形成
- 医療処置の必要性が低くても見守りの視点が重要
- 緊急時の判断・通院同行経験などがあれば強みになる
例文アピール:「体調のちょっとした変化に気づくことを大切にし、笑顔で安心感を与える対応を心がけています。」
4.NG自己紹介の例と改善ポイント

自己紹介は短時間の中で自分をアピールできるチャンスですが、ちょっとしたミスで印象が悪くなってしまうことも…。ここでは、看護師の転職面接でよくあるNG例と、改善ポイントを具体的にご紹介します。
| NGパターン | ありがちな例 | 改善ポイント |
|---|---|---|
| ダラダラ話しすぎる | 「私は~で働いていて、それから…あ、それ以前は…」と話が脱線・長い | 要点を絞り、1分以内にまとめる。事前に構成を組み立てておくことが大切。 |
| 事務的・感情が伝わらない | 「〇〇病院に勤務していました。〇年経験しました。」と感情ゼロの説明だけ | 「〇〇の看護にやりがいを感じています」など、自分の気持ちや姿勢を言葉にして伝える。 |
| 志望動機が曖昧・汎用的すぎる | 「どこでも学べるならいいと思って…」「近いから」など施設に対する想いがない | 「なぜこの施設なのか?」という点を明確に伝えることで、意欲やマッチ度が高く見える。 |
| 自信なさげ・声が小さい・目線が合わない | 声が小さくモジモジ…「えっと…」が多い | 内容以前に印象で損をしないよう、練習・録音・模擬面接などで改善。視線・声・姿勢を意識する。 |
| 強みが伝わらず「普通」な印象に終わる | 「特に強みはないですが…」「普通に勤務していました」など | どんな経験にも「振り返り」や「学び」がある。自分なりの強みを見つけて簡潔に言語化する練習を。 |
✅ ポイント:「何を話すか」と同時に「どう伝えるか(構成・表情・声のトーン)」も大切です!
5.自己紹介例文とアドバイス

自己紹介のベースができたら、実際の場面を想定した例文でイメージをつかみましょう。
ここではよくあるパターンをもとに、好印象を与える例文と、自分の言葉にアレンジするためのアドバイスを紹介します。
例①:病院(急性期)→ 訪問看護へ転職
「〇〇と申します。これまで約10年間、急性期病院で主に内科病棟に勤務してきました。
急変対応やご家族との連携、終末期ケアにも携わってまいりました。
今後は、利用者様の生活により近い場で看護を実践したいと考え、訪問看護に興味を持ちました。」
✅ポイント: 経験の「深さ」と「今後の方向性」が明確に伝わる構成に。
例②:ブランク明けで介護施設に再就職
「〇〇と申します。看護師歴は15年で、ここ数年は育児のため現場を離れていました。
以前は特別養護老人ホームで勤務し、認知症ケアや看取りなど、利用者様との長期的な関わりにやりがいを感じていました。
再び現場で経験を活かしながら、成長していきたいと思い応募いたしました。」
✅ポイント: ブランクを正直に伝えつつ、復帰への意欲と過去の強みをアピール。
例③:クリニックから病棟へキャリアチェンジ
「〇〇と申します。これまで外来クリニックでの勤務を通じ、患者様との信頼関係を大切にした看護を心がけてきました。
今後はさらに医療処置や急性期の対応スキルを高めたいと考え、病棟勤務にチャレンジしたいと思い志望しました。」
✅ポイント: 今のスキルの強み+転職先で「何を伸ばしたいか」を伝えると好印象。
自分の言葉に置き換える3ステップ
- 自分のこれまでの経験・場面を整理する(どんな業務に携わっていたか)
- そこから学んだこと・得意なことを言語化する
- なぜ今の職場ではなく、応募先を選んだかを一文でまとめる
最初から完璧な自己紹介を目指す必要はありません。自分の経験・想いに置き換えて「なぜ転職したいのか」「どんな看護をしたいのか」を考えてみましょう。一度書き出して声に出してみる → 修正 → 練習のサイクルで、自然な表現に整えていきましょう。
まとめ
面接における自己紹介は、単なる形式的な挨拶ではなく、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうための第一ステップです。
経歴や資格だけでは測れない“あなたらしさ”や“熱意”を伝えられる貴重な機会です。
自己紹介で大切なのは、次の3点を意識することです:
- どんな経験を積んできたのか(強み・専門性)
- その経験をどう活かしたいと思っているのか(志望動機・方向性)
- 人柄や考え方が伝わる言葉を選べているか(共感・印象)
どれだけ素晴らしいスキルを持っていても、伝え方ひとつで印象は大きく変わります。
だからこそ、「短く、わかりやすく、心を込めて話す」ことが何より重要です。履歴書や職務経歴書では伝えきれないあなたの魅力は、自己紹介でこそ輝かせることができます。
限られた時間でも、自分の強みや想いをしっかり届けられるよう、構成を整え、声に出して練習しておくことをおすすめします。
最後に、自己紹介は“正解を読む”ものではなく、“自分らしく語る”ものです。
自信を持って、あなた自身の言葉で想いを伝えられれば、それは必ず相手の心に届きます。あなたの魅力がしっかり伝わり、次のステップへとつながることを心より願っています。
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